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法学部

学部長メッセージ


鈴木 隆

鈴木 隆(すずき りゅう)

1974年生まれ。2003年 筑波大学大学院社会科学研究科博士課程修了。博士(法学)。2013年 名古屋学院大学法学部准教授に就任し、2017年より教授。その後、総合研究所長、学生部長を歴任し、2024年より法学部長。
その他、独立行政法人大学入試センター教科科目第一委員会委員、栃木県後期高齢者医療広域連合情報公開・個人情報保護審議会委員、宇都宮市情報公開審査会委員、宇都宮市個人情報保護審査会委員などを歴任。

ごあいさつ

多様な学びを提供し、一人ひとりを丁寧に指導するオーダーメイド型教育の実践

 本学法学部は、2013年の開設以来、4年一貫の少人数ゼミを特色とし、法律関連施設の見学や法律事務所での研修を行う「リーガル・フィールドワーク」をはじめ、学部教員の支援する「翼法律研究会」、日頃の学習成果を発表する「ゼミ研究発表会」など、多様な学びの機会を提供してきました。
 2022年度からはラーニングポートフォリオを導入し、学生一人ひとりを丁寧に指導するオーダーメイド型の教育を日々深化させています。学生の皆さんが新しい知識を習得し、学問を修めることができるよう、そして人間が織りなす複雑な社会現象を法律を用いて的確に分析できるスキルを身に付けられるよう、学部スタッフ全員で常に教育方法の改善に取り組んでいます。
 特に、本学部では、以下に示す通り、導入教育と少人数制演習教育、体験学習などに力を入れています。
(1)導入科目
 専門科目の学修効果を高める<導入科目>を配置し、大学での学びへの導入、及び法学への初歩的なアプローチを図っています。導入科目を通じ、大学での専門的な学修に必要な基礎学力と基礎能力を養うとともに、大学で法を学ぶ意義と方法を主体的に考える姿勢を育みます。
(2)4年一貫の演習教育
 4年間の一貫した演習教育を少人数編成の必修科目として開講し、各人の個性に合わせた対面教育によって、自己の意見の発表の場や他者との議論の場を恒常的に設け、コミュニケーション能力やディスカッション能力、プレゼンテーション能力などの向上を図ります。
(3)体験学習の重視
 フィールドの持つ教育力の豊かさにも眼を向け、実社会で法が果たす役割を体験できるプログラムとして、「リーガル・フィールドワーク」(選抜制)を設置しています。弁護士事務所での実習を通じ、社会的関心と学習意欲の向上を目指します。

法を通じ、喜怒哀楽が交錯する人間社会の営みを探求

 大学で学び、学問をする目的は真理の探求にあります。そして、時の古今や洋の東西など、多様な変化を許容し、「当為」の法則を追究する社会科学の学問対象は、「存在」の法則を追究する自然科学とは本質的に異なります。
 例えば、かつて日本に存在した尊属殺人罪の重罰規定は、アメリカなどの諸外国には存在しません。また、同規定は1950年の最高裁大法廷が合憲としたのに対し、1973年のそれは違憲としました。自然科学的見地によれば、いずれかの国の法律は誤っており、いずれかの最高裁判断は非となるはずです。しかし、歴史的、地理的、そして社会的な差異を是認する社会科学では、そのいずれもが是とされます。
 最近でも、同性どうしの結婚を認めない民法などの規定が婚姻の自由を保障する憲法に違反するかどうかを争う同性婚集団訴訟は、2024年3月現在、全国5か所で提起され、これまでの1審判決では、「違憲」が2件、「違憲状態」が2件、「合憲」が1件となっています。裁判所の判断が割れていますが、社会科学の世界では、いずれの判断も暫定的な答えとして並存し得るのです。
 本学部で学ぶ皆さんは、喜怒哀楽の交錯する人間社会が研究対象であることを自覚し、私たちの暮らす社会に深い関心を向け、多様な意見に耳を傾けながら、それを尊重していく姿勢を大切にしてください。
 具体的には、講義を通して、人間社会に対する鋭い洞察力を身に付け、専門分野・隣接分野・関連分野について幅広く理解するとともに、少人数ゼミを通して、自分の考え方を相手に正しく説明し、相手の意見を精確に理解するプレゼンテーション能力・コミュニケーション能力・ディスカッション能力を養っていってください。ほかにも、部活やサークルに所属したり、アルバイトやボランティアを経験したり、座学以外の学びにも眼を向けてください。そうして培われる人間力こそが、多様な社会での円滑な意思疎通を可能にし、誤解に基づく意見の不一致や紛争の発生を未然に防ぎ、合意形成を図っていくうえで不可欠なスキルへとつながります。

全方位的アングルから現代法学の真髄にアプローチ

 このように、本学部では、専門的知見とリーガル・マインドを幅広く身に付けてもらうことはもちろん、人格の陶冶、人間力の向上にも重点を置いています。つまり、社会に生起する多様な問題を的確に把握し、対応できる専門的法知識やリーガル・マインドを醸成するための法学教育はもとより、中部圏をはじめとする地域社会の持続的発展に貢献できる豊かな教養と人間性、そして本学の建学の精神に象徴される他者への思いやりと共感性を育むための教育にも力を入れています。
 そして、法学部で学ぶ最大の目的が専門性の獲得であることは言うまでもありません。皆さんは自己の関心に基づいて講義やゼミを選択し、それを重点的に学ぶことによって専門知識を得ることができます。幅広い教養を身に付けながら、同時に法学という専門分野をしっかりと修得し、全方位的アングルから現代法学の真髄にアプローチしてください。これが本学部の目指す理想像です。
 皆さんが成長するための舞台は用意されています。経験豊富で、熱意ある学部スタッフが一丸となり、皆さんの学びをサポートしていきます。理想を実現しうるか否か、それは皆さんの研鑽次第です。ともに学び、語り合えることを楽しみにしています。

鈴木隆

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