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私立大学研究ブランディング事業

研究チーム⑨



2019年度 研究内容・研究成果

研究内容|新たな「編集」対象資源の把握


2019年度には、多様な公共施設・公共空間を有効に活用しつつ、熱田区にストックされている資源を地域コミュニティの課題解決につなげる新たな「編集」を実現可能なものとするために、次の研究活動に取り組みました。

  1. 公共施設・公共空間の把握および関連法の整理
    既存資料等をもとに熱田区内にある公共施設・空間28か所を洗い出し、それらの関連法を整理しました。
  2. 公共施設・公共空間が抱える課題の把握
    公共施設・公共空間の状況把握および展望等を把握することを目的に、熱田区役所をはじめ6箇所を訪問し、それぞれの現状や課題、展望などについてヒアリングを実施しました。
  3. 「人」が持つストックと地域課題の把握
    熱田区民を対象に「熱田区の暮らしと地域活動に関するアンケート調査」を実施し、区民が持つストック(スキルや時間など)と認識している地域課題を把握しました。
  4. 国内外の先進的取組事例の情報収集
    熱田区内の公共施設・公共空間の活用を想定し、それらに類する施設および空間を活用した先進的な取組を整理しました。
  5. 関連する先行研究の情報収集
    公共施設・公共空間の有効活用に関する論文等を研究し整理しました。
  6. 先進地視察
    公共施設・公共空間活用にあたって、空間の使い方、コンテンツづくり、運営スキーム、官民・地域連携のあり方など、考え方やノウハウ、留意点等を学び、その学びを熱田区の公共空間活用へ展開することを目的に札幌市に出向きヒアリングおよび視察を実施しました。
  7. 地域懇談会の開催
    地域の意見の把握や情報交換を目的に、熱田区内の区政協力委員長を交えた「地域懇談会」を開催しました。また、この場を活用し、協働して(3)のアンケート票を作成・配布するなどしました。


2019年度は、これらの研究活動より得た知識・情報および分析結果に基づき、新たな「編集」機能構築に向けた方向性の検討を行いました。

研究成果|熱田区民が抱く地域課題とストック


熱田区に居住している「人」を対象とした、「熱田区の暮らしと地域活動に関するアンケート調査」から得られた主な結果は次の通りです(有効回答数742サンプル)。

地域課題に対しては、「災害時の対応が不安」が最も多く31.5%でした。居住地域の場やサービスへのニーズについては、暮らしに関するものでは、「日常から離れてリフレッシュできる場」が最も多く36.9%、地域コミュニティに関するものでは、「安否確認など災害時の助け合い」が最も多く29.6%、まちづくりに関するものでは、「災害時の避難場所」が最も多く27.4%でした。

人的ストックに対しては、地域活動に参加している人は78.3%、今後も何らかの地域活動に参加してみたい人は80.7%で、参画意欲の高い人材が多くストックされていることが判りました。回答者およびその家族の方がストックしている資格や得意なことのうち、「地域活動に活かせそうなもの」の具体的記述を回答者の39.5%から得ました。その具体的記述内容は非常に多岐にわたりました。地域課題としての認識が高い防災に活かせるものとして、消防士、防災士、災害ボランティアコーディネーター、防火管理者などがありました。

「防災時への対応」に不安を感じ地域課題として認識している熱田区民が最も多く、「場」に対して「安否確認など災害時の助け合い」および「災害時の避難場所」としてのニーズが高い結果を得たことから、防災・減災を実現する場として公共施設・公共空間を有効に活用し、地域および人のストックを「編集」する機能の構築に向けた実証・研究の有用性を認識しました。

2020年度 研究内容・研究成果

研究内容|地域プラットフォームの創出


2020年度には、本学名古屋キャンパスの周辺に集積している公共施設・公共空間(図の赤い丸のエリア)を一体的に捉え、地域課題の解決を目指した実証の場として有効活用するための情報収集、熱田区内の事業所のストック調査、地域課題の解決に繋がるオープンイノベーションを創出するプラットフォームへのニーズを把握するために、次の研究活動に取り組みました。

  1. 公共施設・公共空間の把握および関連法の整理
    2021年度に、公共施設・公共空間が特に集積し本学が立地している下図の赤い丸のエリアを一体的に捉え、公共施設・空間を有効活用して地域課題を解決する「編集」を目指したモデル的研究に着手することを見据え、対象エリアに該当する公共空間・施設等の活用時に押さえるべき制度等を整理しました。
  2. 事業所向けアンケート調査
    熱田区内の事業所を対象に、熱田区内の事業所と地域の関わり方、事業所が関心のある地域課題とその対応への考え方、地域課題解決に向けて活用できる事業所のシーズ(商品、サービス、技術等、施設等)およびスキル(従業員の資格、知識等)、などを把握することを目的に、「熱田区の事業所と地域の関わり方に関するアンケート調査」を実施しました。
  3. 国内外の先進的取組事例および先行研究の情報収集
    ストック・シェアリングのプラットフォームとしての運用システム構築可能性の検証、本研究が目指す公共施設・公共空間の一体的な有効活用のモデル的研究対象エリアに類似した組織体制や運営などに関連する先進的な取組事例および先行研究情報を収集、整理しました。

2020年度は、これらの研究活動および2019年度より得た知識・情報および分析結果に基づき、2021年度以降の実証研究に向けた地域課題の選定及び編集の可能性についての検討を行いました。


一体的な有効活用のモデル的研究対象エリア

研究成果|熱田区事業者のストックと地域関係づくり


熱田区内の「事業者」を対象とした、「熱田区の事業所と地域の関わり方に関するアンケート調査」から得られた主な結果は次の通りです(有効回答数310サンプル)。地域課題の解決につながる取組への関心については、「関心がある」比率は58.7%と半数を超え、関心があると回答した事業者の73.1%からは、取り組みたいと考えている地域課題の具体的記述を得ることができました。関心のある、具体的に取り組みたいと考えている地域課題は、防災、交通事故抑止、子育て支援などに分類される内容が多く、なかでも防災分野への関心が高いことが判りました。

事業者が地域課題に取り組む手法については、「CSR」が41.8%で最も多く、企業と地域課題をマッチングさせる取組に「関心がある」事業者は44.5%存在しました。

事業所のストックでもあるシーズ(商品・サービス、技術、施設・設備等)、事業所に従事する従業員のストックであるスキル(資格、知識、経験等)の中で、地域課題の解決に向けて活用できそうなものがあるかについては、事業所シーズでは34.5%、従業員スキルでは29.4%、「あり」と回答を得ました。地域課題の解決に向けて活用できそうな事業所シーズの記述内容は、防災や生活分野に関するもの、従業員スキルの記述内容は、生活や医療・福祉、IT分野に関するものが多くあげられました。

外部と連携した商品やサービスの研究・開発、いわゆるオープンイノベーションへの関心については、関心がある事業所は40.6%で、オープンイノベーションに関心がある事業所のうち50.0%から、外部と連携して研究・開発したい分野や事業について具体的記述を得ることができました。

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