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2023年12月8日アフガン女性・ファルザーナの物語のその後―家父長制とターリバーンの復権との交差の下で生きること


12月8日(金)、シティカレッジの一環として、室蘭工業大学教授・清末愛砂先生(憲法学)をお招きし、公開講演会「アフガン女性・ファルザーナの物語のその後―家父長制とターリバーンの復権との交差の下で生きること」を開催しました。
主催は国際文化学部および「ローカリティ形成における宗教の関与についての学際的比較研究」会です。

清末先生はまずハマースによる攻撃を受けたイスラエルによるガザへの侵攻についてお話くださりました。先生はこれまでパレスチナの支援にも関わってこられましたが、今回、ライフラインや大学の破壊が行われていることから、ガザ住民という集団をまるごと破壊する意図がみえるとし、慎重に言葉を選びつつも、「ジェノサイド」が疑われる事態になっていると指摘されました。

続いてアフガニスタンの女性が置かれている状況について、RAWA(アフガニスタン女性革命協会)のメンバーらへの聞き取りに基づきお話くださりました。国際社会では2021年のターリバーンの復権により女性に対する差別や暴力が悪化したといわれますが、女児教育制限の問題、児童婚・児童売買の問題などは、家父長制的なアフガン社会に構造的に備わっているものであり、ターリバーンだけに責任があるわけではないといいます。そして国際社会による経済制裁はアフガン女性を生活苦に追いやっており、むしろターリバーンによる女性抑圧と共犯関係にあるとも指摘されました。

現地の女性たちのなまの声を引用しつつ丁寧になされる解説は、説得力あるものでした。次々に問題や争いが生じる現代において個々の問題は速やかに忘れ去られがちであり、アフガニスタンの問題もすでにわたしたちの記憶から遠のきつつあります。今回、苦しくともしたたかに抵抗を続けているというアフガン女性の姿に触れ、改めて考えさせられる機会になりました。

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