Cafe & Bakery Mile Post | カフェ&ベーカリー マイルポスト
マイルポスト・瀬戸プロジェクト(2002-2007)
概要
名古屋学院大学では、愛知県瀬戸市にある銀座通り商店街の空き店舗を活用し、カフェと雑貨コーナーを併設した店舗「カフェ&雑貨マイルポスト」を2002年9月に開設。「まちづくり」と「自分づくり」をテーマに、学生主体での運営、コミュニティビジネスを展開し、大学3学部が名古屋へ移転する2007年3月まで、営業を続けました。
この取組は、ボランティアからビジネスに至るまでのさまざまな公益的な連携プロジェクトを企画・開発し、この店舗での実践を中心とした大学教育プログラムとしても位置づけられていました。また、この取組によって、地域・商店街の活性化にも大きく寄与しました。
バーチャルカンパニー(コアスタッフ)
「マイルポスト」
サポート組織(サポートスタッフ)
- 学生サークル「人コミュ倶楽部」
- 経済学部授業科目「地域活性化研究B」(担当:水野晶夫)
監督機関
- まちづくり推進委員会(総務課管轄)
委員長:名城邦夫(経済学部教授)
マイルポスト担当委員:水野晶夫(経済学部助教授)
連携組織
- (研究)総合研究所まちづくりプロジェクト研究
代表:水野晶夫(経済学部助教授) - (教育)経済学部授業科目「地域活性化研究A」担当:古池嘉和(経済学部教授)
名古屋学院大学まちづくり推進プロジェクト(マイルポスト・瀬戸プロジェクト)の特徴
(1)大学による全学組織体制、大学教育プログラムの一環
マイルポスト・プロジェクトは、「まちづくり推進委員会」の指導・監督のもとにあり、各学部から推薦された教員7名からなる全学体制となっている。
また、教育プログラムとしては、経済学部授業で実践型の「地域活性化研究」が中心組織となり、バーチャルカンパニー(大学監督・指導のもとでの学生主体の事業実施組織)との連携のもと、さまざまなプロジェクトを企画・開発している。また、マイルポストの経営企画についてはインターンシッププログラムにて単位認定を行っている。
以下、このプログラムで開発された主な事業である。
- 2003年4月−商品開発「携帯アクセサリー赤津七釉セット」
- 2003年7月−行政・NPO連携事業「ITフォローアップ事業」
- 2004年12月−バーチャルモール運営「瀬戸銀座一店逸品バーチャルモール」
- 2005年10月−リユースカッププロジェクト
- 2006年6月 フェアトレードフェア開催
- 2006年7月−バイオマスリユース食器プロジェクト
(2)商店街への波及効果
まちづくり活動開始後、徐々に空き店舗が埋まり始め、当初14店舗あった空き店舗が現在では半減している。なお、残った空き店舗のうち、すぐに利用可能なものはほとんどない状態である。
商店街の通行量についても名古屋学院大学総合研究所の調査では、4月初旬の休日を活動前の2001年とマイルポスト開店後の2003年、2005年を比較すると、 2001年の約800人(/日)から2003年1000人弱(/日)、2005年1200人(/日)と1.5倍にも増加している。
また、学生達の活躍に触発された商店街振興組合は、2003年度より「一店逸品づくり運動」を始め、 2003年11月に第1弾として逸品5品、2004年6月には逸品3品とマイスター2名を認定・公表した。
(3)地域からの評価
マイルポストで開催される「まちづくり公開授業」や講演会・ワークショップカフェなどのカフェイベントは市民にも開かれ、生涯学習としての役割も担っており、地域の方々から高い評価を受けている。
また、愛知県のさまざまなまちづくり・商店街活性化事業のロールモデルとしての役割も担っており、県内はもちろん全国各地から視察に訪れるさまざまな団体にも情報提供やアドバイスを行っている。
そして、2006年5月には、経産省「がんばる商店街77選」が発表され、マイルポストが活躍する瀬戸・銀座通り商店街が全国1万3千もある商店街のなかから、77選に選ばれた。
選定理由は、「一店逸品運動と大学連携によるまちづくり」。大学連携が評価されての選定は、77選のうち銀座通り商店街だけである。
(4)コミュニティビジネスモデルの開発・実践(さまざまな地域連携プロジェクトの店舗集中→ビジネス的成功と地域まちづくり活動の拠点へ)
マイルポストは、さまざまな団体との連携プロジェクトを集中させ、その効果として地域活性化を促している。
例えば、瀬戸商工会議所との連携事業として「瀬戸みやげ推奨品」委託販売や、地域資源「赤津七釉」を活かした学生オリジナル商品(携帯アクセサリー「赤津七釉セット」)を地元陶磁器メーカーと共同開発した。
また、瀬戸市教育委員会主催(NPO法人ITサポーター瀬戸企画運営)パソコン教室の受講後のフォローアップを学生インストラクターによって実施し、産官学の新しいビジネスモデルとして開発、展開。さらに、いくつかのマイルポスト店内でのイベントをNPO法人等と連携して開催している。
その結果、マイルポストは、ビジネス的に安定するとともに、市民や学生の「たまり場」「コトおこしの場」として定着。地域まちづくり活動の拠点となっている。
(5)持続可能なコア=サポート・スタッフ・システム
「マイルポスト」に関わる学生スタッフ体制は、コアスタッフとサポートスタッフの上下2構造となっている。
コアスタッフは有志参加であり、教員はアドバイザーに徹し、学生の主体性を維持している。他方、サポートスタッフ(まちづくりサークル「人コミュ倶楽部」、実践型授業「地域活性化研究」)は、コアスタッフの活動サポートだけでなく、コアスタッフ参加のチャネルとして重要な役割を果たしている。
サポートスタッフの一組織であるまちづくりサークルの事務所をマイルポスト店内一室に設け、イベント活動の共同実施を行うなどしてコアスタッフとサークル(サポートスタッフ組織)との連携強化を図っている。
また、実践型授業もサポートスタッフ組織として位置づけられており、マイルポスト雑貨コーナーやバーチャルモールの企画運営および実務補助などを行いながら、希望者にはコアスタッフとしての参加を促している。
さらに、学内のボランティアセンターや国際交流センターなどとの連携事業を推進することで、それぞれの学内機関が参加チャネルとしての機能を有している。
このようなスタッフ体制および多元的参加チャネルにより、本プログラムは、多くの学生をサポートスタッフとして受け入れていると同時に、サポートスタッフからのいわばたたき上げであるコアスタッフがサポートスタッフを指導する形でノウハウを継承するというサスティナブルシステムを確立している。
(6)地域との関係作り 「まちづくりワークキャンプ」と「ぎんざまちネット」
新旧学生メンバーの関係強化と商店街との信頼関係構築の目的で、年に1回、銀座通り商店街にて約1週間の合宿形式で「まちづくりワークキャンプ」を実施。学生のモチベーション向上はもちろん、地域との関係作りにも有益な活動となっている。
また、大学と地域との連携強化の目的で、大学教員、学生、商店街、商工会議所、TMO、行政、地域NPO法人が参加する連絡協議会「ぎんざ・まちネット」を隔月で開催。地域のネットワーク作りや信頼関係作りとしての役割は大きい。
関係資料
名古屋学院大学まちづくりフォーラム2006(2006年12月9日開催)
『大学の地域連携と商店街活性化—この6年間のまちづくり活動を振り返って—』![]()
瀬戸・銀座通り商店街「がんばる商店街77選」入選にあたって
『瀬戸・銀座通り商店街「がんばる商店街77選」入選にあたって—その評価要因について—』![]()
水野晶夫(名古屋学院大学総合研究所 「NGUまちづくり研究 第5号」2006年9月)
マイルポスト3年間を振り返って
論文『大学と地域との連携によるまちづくり−名古屋学院大学の事例を中心として−』![]()
名古屋学院大学 水野晶夫(「新都市」平成17年10月号、(財)都市計画協会)
マイルポスト開設までの経緯
「あいち産業情報2002.11月号」
まちづくりの主役を探す−大学におけるまちづくり活動の意義と役割について−を参照してください。


