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「名古屋学院大学総合研究所研究叢書29」が発刊されました


名古屋学院大学総合研究所 研究叢書 29 : 2018年3月刊行
玉川貴子著 『葬儀業界の戦後史――葬祭事業から見える死のリアリティ』 青弓社

研究叢書29

本書は、戦後日本の葬儀業界の歴史を辿りながら葬祭業者たちの葛藤を丹念に描出しようとした点に特徴があります。これまで、葬儀に関する先行研究では、葬祭業者たちが伝統や葬送文化を変える主体であるとみなされてきたため、葬祭業者たちの葛藤を正面から扱ってきませんでした。また、葬祭業がサービス業であることは当然のことと思われがちですが、遺体を扱う事業か、サービスを扱う事業かで事業者側も揺れていました。
「人の不幸でお金をとる」と批判されてきた葬祭業者が、自らの事業をどう位置づけ、その正当性をどう主張してきたかを、葬儀業界、葬儀が執行される空間(葬儀会館)、葬祭業者自身の身体に分節化して論じています。
また、近年の葬儀動向についても、本書では扱っています。終活やエンディングノートの作成など、老いから死後までを自分で決めておく人々、あるいは死の前後に対して関心を持つ人々が増え、「葬儀は不要/シンプルに」という志向も表明できるようになってきました。葬儀は、いつの間にか人々の志向に応じて変えられるものとなりました。戦後社会の変化と同時に、そうした人々の志向をキャッチしながら、葬祭業務は拡張されてきましたが、果たして「人の不幸でお金をとる」という批判はなくなったのでしょうか。
本書では、資料やフィールドワーク、葬祭業者へのインタビューによって葬祭事業の構造的な葛藤を明らかにし、現代社会における死のリアリティとその変容を提示しています。