グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


学部の活動

【国際文化学部】専攻別セミナーを開催しました


2025年5月7日(水)の1限 「国際文化基礎演習1」(2年次ゼミ)、2限「基礎セミナー」(1年次ゼミ)で専攻別セミナーを開催しました。
国際文化学部教員から各専攻の報告が届いています。

グローバル文化専攻

国際文化基礎演習1(2年次ゼミ)

グローバル文化専攻の「国際文化基礎演習1」(2年次ゼミ)では、さまざまな文化や異文化コミュニケーションを学ぶ3つのプログラムを実施しました。

1. メイヨー先生
In this workshop on intercultural communication, students did two activities. They learned that people from different cultures see and remember things in different ways. Culture changes how we think and what we notice.
Students also looked at the “MANGA MANNERS” campaign. They studied how media in Japan and other countries show Japan with stereotypes. They thought about how Japan is seen around the world. They learned that it is important to understand different points of view.
異文化コミュニケーションの基本的な考え方を体験的に学ぶワークを通して、記憶や分類の仕組みに文化的背景が深く関わっていることを実感する活動をおこないました。人はそれぞれの文化的枠組みにもとづいて物事を見たり覚えたりしており、その違いが異文化理解の出発点となることを学びました。
さらに、「MANGA MANNERS」キャンペーンを題材に、日本国内外のメディアがいかにしてステレオタイプを形成し、それを通して日本をどのように描いているのかを分析しました。こうした考察を通じて、他者からの視線やメディアのフィルターを意識することの重要性、そして多様な視点から物事を見る力を育む必要性について理解を深めました。

2. 吉田先生
トルコは日本の「文化」をいかに受容してきたのか~アニメ編」というタイトルで、20世紀後半におけるトルコと日本の文化的交流について話しました。

3. 佐伯先生
名古屋学院大学の協定校であるアルムスリム大学(インドネシア)の留学生3人と、中期留学した国際文化学部4年生2人が、アチェについて紹介したほか、ユネスコ無形文化遺産として登録されているサマンの踊りを披露しました。

基礎セミナー(1年次ゼミ)

グローバル文化専攻の「基礎セミナー」では、各教員によるそれぞれが考える「グローバル文化」に関連する講話がありました。

1.鹿毛先生:中国のテレビ番組での自身の出演シーンや多様な写真も紹介しながら、倭寇に関する研究成果を出すまでに、国家の枠組みを越えた様々な人たちとの交流があったことを話しました。

2.増田先生:「ハワイの共生:日系人コミュニティ」というタイトルで、「BANGO TAG」やアジア系墓地などの様々な事例をみせて、多様性に満ちたハワイ文化の紹介をしました。

3.吉田先生:20世紀後半におけるトルコの日本アニメ受容の変遷という観点から、トルコと日本の文化交流について話しました。


当日、教員3名の講話を聴いた専攻学生111名の意見・感想・考えが届きましたので、そのうちのいくつかを原文のままで紹介します。フレッシュな1年生たちの、「グローバル文化」学への思い・意気込みが伝わってくる文章になっており、学部で取り組んでいる「書く力」(考える力)の養成にもつながると期待されます。

鹿毛先生講話への意見・感想・考え

・先生が歴史の先生だったということを初めて知りました。講義内でおっしゃっていた昔の書物についてしまった汚れを見えなくし本来の文字を見えるようにするという赤外線専用カメラはとても便利だなと思いました。また、学問・文化交流の力がグローバル文化学の考え方というのは覚えておくべきだなと思いました。

・中国から依頼を受け、調べるとともにほかの人たちと協力し、交流を深めていることがわかりました。そして、日本だけではなく対外の国との関係も含め、日本では何があったかを調べていて、日本史は日本のことだけというイメージで思っていたのですが、対外関係も必要なんだとイメージが変わりました。

・グローバル文化学を学ぶ中で、世界中の多様な価値観や文化の背景を理解することの大切さを実感しました。先生も言っていたようにグローバル文化学では人と付き合い、自分の考え方と違う人と交流し、他者と意見を交わすことで自分の考えが深まるのもこの学問のおもしろさだと感じました。今後は知識だけとして文化を学ぶのではなく、その違いを尊重しながら自分の視野を広げて行きたいと思いました。

増田先生講話への意見・感想・考え

・昔のハワイでの労働者は番号で識別されていてお互いをいがみ合う関係だったのは残念だと思いました。弁当箱やピジンイングリッシュがきっかけでみんな仲良くなれて良かったです。

・日系人とハワイとの関係で、民族別をし、差別化をしていたことに驚きました。また、当時は日本人が商店を始め、日系人の存在は大きいとわかりました。お弁当箱がきっかけで人々の交流が増え、ピジン・イングリッシュをもとにさらに交流が増えて、ローカルになったとわかりました。また、アジア系の墓地があるということに初めて知りました。昔の出来事が関係し、今のハワイが出来上がっているんだとわかりました。

・以前からハワイは他にない独特の雰囲気の文化を持っているなと思っていたが、過去の出稼ぎにきた複数民族の混合や支配層からの区別、戦争による対立を乗り越えて、今の形が出来たことを知ると、納得できた。また、近年のグローバル化で、様々な文化が混ざり合うことで、対立や混乱を生んでいるが、ハワイはそれを乗り越えて新しい文化とアイデンティティを生み出したように感じたので、私たちがそのハワイから学べることはたくさんあるのではないかと思う。

吉田先生講話への意見・感想・考え

・トルコでは日本の文化(主にアニメ)の人気が多いと初めて知りました。韓国で作られた映画もトルコで上映していたことに驚きました。そして、漫画はサブカルチャーとして活気があり、日本のアニメを迅速に受け入れようとしており、インターネットが使えるようになった時代は需要が増え、また、今のトルコでは、日本の漫画を翻訳し販売していると聞いて日本の漫画は人気なんだなと思いました。

・トルコは日本の漫画やアニメが人気で、若者を中心に広く受け入れられていることを知り、日本の文化が国境を越えて影響を与えられていることを実感しました。

・アニメや漫画が外国で知られていたり、流行したりするのは、日本でも超人気となったものが海外の人に伝わるものだと思っていたが、他にもテレビ局が買って放送したことから知られるというルートがあることや、日本ではそこまで知られていないものもトルコでは放送されているということを知り、驚いた。

そして最後に、3名の先生方の講話を総合しての意見・感想・考えを自主的にまとめた学生たちもいました。

・当時の出来事のなんらかの影響で交流が増え、人々と会話をすることでグローバル化し、その広がりが今でも続いているんだと思い、グローバル文化専攻の考えを深めていきたいと思いました。

・文化について研究する方法や視点、異国の文化が入ってくるルートや文化が作られていく過程は多様であることを学んだ。グローバル文化を学ぶためには幅広い知識と、柔軟な思考力、地道な調査が必要だと思ったので、これから身につけていきたい。

・個々の国々が成長していくには、国際協力・交流が欠かせないなと思いました。一緒に成長していくためにも必要な技術や知識を身に着けていきたいです。

・共通する点は各国が協力することで分かることが沢山あるなと思いました。

・全体の話を通して国際間での協力という観点からの関わり、民族での協力、交流といった関わりのあった過去、その国の文化においての国際間の関わりという「グローバルな関わり」についてを知ることができたので、これからグローバル文化を専攻し学んでいくにあたっての考え方として今日のお話を思い出していきたい。

国際協力・共生専攻

国際協力・共生専攻では、<たいほう>多言語多文化ラウンジにてワークショップを行いました。内容は開発教育協議会編『「援助」する前に考えよう』(2006年)より、「1枚の看板」というテーマを借り行われました。担当教員は佐竹先生、金城先生です。

国際文化基礎演習1(2年生)23名、基礎セミナー(1年生)29名が適当にそれぞれ3,4グループに分かれ、グループ討論を3回行いました。
討論は一行がタイ北部の小学校を訪れた際、ある看板が出ていたという設定にし、図・ワークシートを配り、次のような質問に答えるものでした。【質問1.村の小学校に10ドル寄付してほしいと看板にあったが、あなたは寄付しますか。】グループとして、合計いくら寄付しますか、というものです。司会役を決めて、討論し、グループとしての額を決め、進行役(教員)に報告します。
次いで、村、小学校、看板を出したアイ子に関する説明資料を配り、【質問2.あなたはアイ子の活動について賛成か反対か】を出します。グループ討論ののち、司会が進行役に報告します。
進行役がコメントし、【質問3.アイ子の活動がよりよいものになるためにどうしたらよいか】に移ります。グループ討論ののち、司会が進行役に報告し、進行役はよりよい援助とは何かをテキストに基づきながら、コメントしました。

質問1については、0(ゼロ)ドルから、80ドルまで大きな幅で意見が分かれました。
質問2については、賛成、やや賛成が多く、反対が1グループでした。子どもの教育は大切だ、寄付はいいことだなど賛成意見が続き、個人でやることへの反対意見も出ました。
質問3については、寄付の使途を明確にすべきだ、SNSを通じて、仲間を募り、団体アプローチをとった方がいい、クラウドファンディングにかけてみるなどの意見がありました。

国際日本学専攻

「国際日本学」では、各教員による講話がありました。

1.柴崎先生「1970年の大阪万博を振り返る」をテーマに、当時の日本の様子や、万博ではどのような未来予測がされていたのかなどについて、余談を交えながら話をしました。半世紀前の日本は現在から見るともはや異文化であり、海外のことだけでなく過去の日本を知ることも異文化理解であるという点を強調されました。

2.曽我先生「地元の国宝」のテーマで、中部地方に存在する国宝建造物について詳しく解説しました。三重県の伊勢神宮はなぜ国宝に選ばれないのか、なぜ都心部よりも田舎に国宝が多いのか、など興味深いお話を伺うことが出来ました。建造物以外にも絵巻物や浮世絵などの美術品や、陶器や刀剣などの工芸品にも国宝があるため、ぜひ地元の国宝を実際に見に行ってみよう!という言葉で締めくくられました。

  1. ホーム
  2.  >  学部の活動
  3.  >  【国際文化学部】専攻別セミナーを開催しました