グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


学部の活動

【国際文化学部】講演会「西サハラの声を聞く」を開催


国際文化学部 佐伯奈津子准教授の「国際平和学」で講演会を開催しました。

2023年11月6日(月)、ファトマ・ブラーヒームさん(西サハラ学生連合外交部)、松野明久さん(大阪大学名誉教授)を招き、「西サハラの声を聞く」を開催しました。開催されたイベントには約30名の学生が参加しました。

 1976年までスペインの植民地だった西サハラでは、スペインが領有を放棄したのちも、モロッコの実効支配がつづいており、15万〜20万人が隣のアルジェリアに避難を迫られました。1991年にモロッコ政府と西サハラ独立をめざすポリサリオ戦線は和平合意を結び、西サハラの独立を住民投票によって決定することになりましたが、現在まで住民投票は実施されていません。モロッコは約2700kmにおよぶ「砂の壁」で西サハラを包囲し、西サハラの人びとは日常的に自由や人権を侵害されています。国連は、モロッコによる西サハラ領有を認めず、西サハラは非植民地化の対象となっています。

 最初に松野さんから西サハラ問題について概説いただき、肥料の原料となるリン鉱石、タコ、風力発電などを通じて、日本も西サハラ問題と無関係ではないことが指摘されました。このことは、自転車で世界をまわって西サハラ問題を訴えているスウェーデン国籍のサナ・ゴットビさんとベンジャミン・ラドラさんが、2023年6月に「ジェンダー論」「アジア政治経済論」の授業でお話しくださったことでもあります。

※サナ・ゴットビさんとベンジャミン・ラドラさんの講演の様子はコチラから

 ファトマさんは、アルジェリアの難民キャンプで生まれました。西サハラの人びとは、48年間ものあいだ、キャンプ暮らしを迫られています。キャンプの子どもたちは、10歳で教育を受けるかどうか選択し、教育を受ける場合、親元を離れることを迫られます。ファトマさんも、そうしてアルジェリアの学校に通い、大学ではジャーナリズムを学びました。キャンプ出身の若者たちは、夏休みになるとキャンプに戻り、学んだことを難民と共有し、伝統的な文化や民族アイデンティティを守るための活動をおこないます。

 西サハラには「片手では拍手できない」ということばがあるそうです。手をとりあえば、世の中は変わることを示すことばです。より経済的な利益を向いていることはあるが、とくに若い世代が一緒に正しい側に立てばなにかできると、ファトマさんは学生に呼びかけました。

ファトマ・ブラーヒームさん

  1. ホーム
  2.  >  学部の活動
  3.  >  【国際文化学部】講演会「西サハラの声を聞く」を開催