今年2009年は、世界大恐慌の引き金になったアメリカの株価大暴落から80年目、中華人民共和国が生まれて60年目、学生運動の象徴「東大安田講堂」事件から40年目、東西ドイツのベルリンの壁が崩壊して20年目、アメリカで白人以外の大統領が初めて誕生した年、そして、100年に一度といわれる世界的経済危機の年であります。わずか80年の間でもその変化には驚くばかりです。現在、人の寿命は100才も珍しくなくなってきましたが、人はその間の世界の変化の中で生きていかねばなりません。
名古屋学院大学は今年が創立45年で、すでに37,000を超える卒業生が社会で活躍していますが、創立時の45年前は東京オリンピックが開催され、新幹線が初めて走った年でもあります。カラーテレビも家庭には普及しておらず、携帯電話は当然ながらパソコンもありませんでした。今年入学した学生が60才定年を迎える42年後はどのようになっているでしょうか?
大学の教育は、社会の変化に適応しながら雄々しく生き社会で活躍できる人材を育てるところにあります。知識も時代とともに色あせ修得した技術も不用となるかもしれません。しかし、いかなる時代にも変わらないのは自分が自分であることと、その自分が生きていかねばならないことです。そこに、本学の掲げる建学の精神「敬神愛人」の意義があります。
知識・学問の重要性は当然として、それを使っていく人間の内面性の陶冶、および、時代の変化を超えて生き抜く力、社会や人々に対する思いやりの心を育てることが本学の教育目標であり、この原点の上にさらなる教育の革新を図っていきます。
小嶋 博(こじま ひろし)
1941年4月生まれ。経営学専攻。神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。1975年本学就任(経済学部。学部改組により1992年より商学部)。学生部長、商学部長などを歴任し、2005年に学長に就任。また、1994年から常任理事。日本経営財務研究学会副会長を歴任。


