• 特色GP 自学自習システム「経済学基礎知識1000題」
  • 特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)

名古屋学院大学 コア6プロジェクトストーリー

2010年度より名古屋学院大学に導入された「経済学コア6」。経済学への興味喚起、基礎学力の向上を目的とした本システムは、外部からも高い評価を受け、文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」に選ばれた。しかし、システム導入に至るまでには、ITにかける本学の飽くなきこだわりと試行錯誤の日々があった。

第一部 「学生たちの必須ツールへ」

第二部 「経済学を、さらに身近な存在に。」

まだコンピュータが専門家のものだった時代、名古屋学院大学はITへの一歩を踏み出した。

1994年。まだ全国でも珍しかった学内インターネット接続を皮切りに、名古屋学院大学はIT化へと大きく舵取りした。そこには、文系大学ながら先端技術に対する挑戦と、学生に最新の情報を伝えたい、という強い想いがあった。

当時、名古屋学院のキャンパスは瀬戸キャンパスのみ。自然に囲まれた素晴らしい立地だが、どうしても情報スピードは都市部に比べて遅くなる。インターネットであれば、時間も距離も関係ない。名古屋学院はその可能性にかけたのであった。

1996年には全学生にノートPCを配布開始。さらに2002年、構想から1年半を経てCCS(キャンパス・コミュニケーション・システム)別ウィンドウで開きます が誕生する。これは、事務局、教員、そして学生をつなぐ独自のポータルサイトである。現在のクラウドコンピューティングのはしりともいえるこのシステムには莫大な費用を投入した。

失敗は許されない。名古屋学院は未開の地へ足を踏み入れ、歩み始めた。

立ち上がった最新システム。立ちふさがる困難。

CCSは、当時全国でも類をみないICTシステムとして名古屋学院を特徴づけると同時に、学生の利便性を高める画期的な仕組みだった。

その最も特徴的なコンテンツが「自学自習システム」である。多くの学生は、高校時代は受験勉強に追われる。それは、合格後、勉強に対する意欲を削いでしまう原因でもあった。勉強への苦手意識が入学後も続く学生も、決して少なくはない。そこで、自学自習システムでは、ゲーム感覚で楽しめるような工夫が施された。クリアするごとに自分の成長がみえるインターフェイス。取り組みやすい選択式の問題。これによって、苦手科目の底上げができ、得意な科目はさらに長所を伸ばせるという成果が期待された。

しかし、問題はシステムではなかった。「このシステムは画期的だったし、必ず学生たちの役に立つと確信していました。でも、周囲の目線は冷ややかでしたね」と、児島教授は当時を振り返る。せっかくのシステムが利用されないのだ。講義や試験へ導入して成果を出しても、一部の授業だけにとどまり広がりを見せない。全学生に浸透させようとしていたが、まるで砂漠に水を撒くようだったという。

学生たちの必須ツールへ。ITに強い大学としての地位を確立していく。

児島教授をはじめとする教員らの地道な働きかけが1年以上続いた頃、基礎学力不足の解決策のひとつとして、自学自習システムが注目された。経済学部の教員全30名が集結し、それぞれの専門知識を持ち寄って経済学の問題を考案。「経済学基礎知識1000題」として経済学部全体での利用が始まった。すると、学内で変化が起きた。学生が自学自習システムを利用しだしたのだ。試験問題の一部を自学自習システムから出題したのがきっかけだった。

学生にとって、最初は仕方なくだったのかもしれない。しかしこれによって一気に利用が広がった。契機はどうあれ、試験の平均点や基礎知識の底上げが実現したのだ。気づけば「自学自習システム」は、学生にとっても教員にとっても欠かせないツールになっていった。

それから2年後、この「経済学基礎知識1000題」は、「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」別ウィンドウで開きます に採択。情報コンテンツは充実し、設問は20,000題を超えた。その中で、経済学部の学生に知っておいてもらいたい経済学の理論や概念を集約した問題を厳選し、冊子『経済学部生のための基礎知識 300題』を作成。「自学自習システム」との併用によって、更なる教育効果を狙った。様々な取り組みを通して、名古屋学院はITとコンテンツに強い大学としての歩みを加速させていった。

第一部 「学生たちの必須ツールへ」

第二部 「経済学を、さらに身近な存在に。」

児島 完二 教授

児島 完二 教授

1994年4月 名古屋学院大学 経済学部に着任。
Webのさまざまな応用可能性とITソリューションの提案・検証。ネットワーク理論・複雑系でのアプローチに見られる構造解析ではなく、経済社会問題へのソリューション(政策)研究中。
情報社会の進展の知見から停滞する組織活動を活性化させる手法を考察する。アンバンドリングにより主体を明示し、ネットワーク化を促進することによりクラスター形成を図る。この手法は地域産業の育成(インキュベーション)に利用されるが、ネットワークを利用することの応用可能性を探る。